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​Spection / 旅立ちアルバム

2019年7月27日発売 \1200 エンジニア 和田弘樹(STUDIO 246 WEST)

1.駅前

 
どうかこのままこの町から連れ出してくれないか
跡形も残らぬくらいに
思い出はいつも宝物のようにさ 輝くよ
その一方で消えてくものもあるんだろう
 
頭の中ガンガンなる
その意味すら分からなくなる
言葉を超えて伝わるものが
あることなど知っているよ
 
誰も彼もここから動けない
誰も彼もここから動けなくなった
波の音が月影に揺れる
そんな毎日だ
 
駅前にはいつも俯いた人たちが多いから
目も合わせず歩けばぶつかったり
雨上がりの空はいつもより輝いて見えるけど
その一方で少し寂しくもなるんだよ
 
広く見えて出口のない
この町にまた夜が沈む
降り出した雨の中で二人
手をつないでいられたら
 
僕はきっとここから動かない
泣き出しそうな君の横にいたくなった
誰も彼もここから動けない
そんな毎日だ
 
 
 
2.ステージ
 
見下ろしてたはずの人が
気づけば遠くなっている
努力は理解されぬまま
もうダメかな? モヤモヤが
胸を覆ってくんだ
 
未来への希望が
疲れてしまった時代に
大人になった僕ら
それでも前を向いた
 
繰り返した問いは
今は何処にも無い
誰も見たことない
次のステージに行こうよ
 
勘違いしてたはずの今日が
知らずに暮れていっても
生温い昨日には戻れやしない
もう嫌なこと 繰り返すほど
夢が追ってくんだ!
 
未来への希望が
明日を生きる誓いだ
僕ら笑ってまた
この場所で会おう
 
打ち立てた誓いは
守り切るでもない
ただ心の中
倒れない鼓動の旗
 
焦がれた夢を乗せて

君の喉から叫んだ歌
雨に打たれて風にもたれ

答えを探す
 
歩き疲れて
ふと足を止めた
君を思い出して
また眠りについた
 
朝が来たなら
強くなれるのかな
戦っていくんだよ
昨日とは違うステージで
 
 
 
3.カラクリ
 
君のちょっと早くなる歩調に合わせて
そっと身を早めようか
いつか見つからなくなる本当に
そっと目を塞いでいた
 
転がってく 狭い下り坂を
確かあれは2人で買ったリング
きっと僕らがこのままじゃいられないことを

物語ってんだ
 
それでも僕らは映画を見ずにはいられないな
これでもかって言うくらい
しょうもないストーリー 飲み込んで
バレないように目を閉じた
 
そんなこんな今日は
会ってからスクリーンばっかり見ている
「つまんなかった」なんて
あぁそれはさっきの映画のことかい?
 
からまった時計の針を 君が覗いたから
最後まで時間を戻すだけ
片方の針はもう動かなくて
もうこのまま捨てちゃおっかな
 
転がってく また連なってく
同じ今日をただ繰り返して
さっきまで聞いてたはずの大好きな曲も
飽き始めていたんだ
 
それから僕らは当てもなく歩き続けたよ
解き放たれて 自由の身になって
吐き出した 最後の最後に
言えなかった「さよなら」
 
どうやったらこんな
真っ暗な道を歩いていけんだ?
都合が悪くなっても
あの昨日は二度と戻らない
 
くだらない妄想に浸って
朝の光を待っている
このどうしようもなく孤独な
夜を殺して 枯らして 声を
 
忘れかけているんだろ?
こうなったらそのまま
 
困難な今日だって
最後まで振りしぼって生きている
自問自答してみたって
答えは結局1つもわからない
 
そんなたった1人の僕が
相も変わらない今日を生きている
拾ったばかりの今日は
部屋のゴミ箱に捨てるのさ
 
 
 
4.夜の彼方
 
夜の彼方 星が瞬き
僕たちはこの場所を動けずにいた
また春が来て 僕ら旅立つ
大切な思い出を胸に歌うよ

 
 
 
5.病室の花束
 
病室の床に転がっていた花束
君のものじゃないといいな
あれから僕は毎晩のように
君の事を思っている
 
いつかさよならが来ることもわかっているのに
 
離れていても

大事なものは変わらないと僕は思った
君の事なら

命に代えても守れるなんて大げさかな
 
また春が来て 僕は旅立つ
大切な思い出をポケットに詰めて
それで夏が来たら きっとまたやってくる
途方もない悲しみを予感してしまうよ
 
君が教えてくれたあの

ギターのコードでさえも忘れないよ
将来の事はまだわからず

僕は僕を迷っている
 
君と話し足りない事が いくつもあるから
 
カバンの中に

書きかけの手紙がひとつ残っていて
それを読むとき

僕ら多分 命の意味をわかるだろう
 
忘れないでね 変わらないでね
胸の中思い出を探してみる
きっと夏が来たら 君はまたやって来る
海の砂 僕を抱いて 笑っていて
 
 
 
6.おにぎりとブルーレイ
 
晴れた空に 遠ざかる雲を見てた
いつかの傷も癒えないうちに 
春風におにぎりを一つ持って 
そこまで出かける 
 
足りないものも少しはあるんだろうけど 
そん時にまぁ考えたら歩いていけるだろう 
それぐらいの思いで今を越えていけるよ 
そんなもんだろう 歌いながら 
 
雨の空に 遠ざかる夢を見てた
昨日から電話は来ないままだ
こんな日はブルーレイをひとつ借りて 
部屋の中こもろう 
 
逢いたい人が特にいない日もあるし 
そんな日も含めて僕って言うんだろう 
くだらない話をだらりとみて過ごすよ 
そんなもんだろう 眠りながら 
 
やりたいことが贅沢だと思えたら 
傲慢とか自分勝手に触れてないのかも
思ったよりも人生は自由だよ
種を蒔いたら 花が咲くまできっと
 
夜の空に 消えゆく星を見てた 
光ってる意味も分からないくせに 
僕たちのこの地球(ほし)を見てる誰かも 
どこかにいるはず
 
誰にだって同じような朝が来るけど 
昨日よりうまくいきそうな気がしてる 
さよならだ 僕らはここまで来た 
見せていかなくちゃ 
  
 
 
7.蝶になる
 
一度終わった恋なら

忘れてしまってもいいかな
誰も傷つかないようにひとり眠るんだ

 

やがて頃合いが過ぎたら

また笑いあえる日が来るかな
吐く息は遠い夜空ノムコウまで
飛んでって帰ってはこないだろう
 
いつの間にか大人になって
掴めない恋にハマっていって
形くずれた羽根の生えた蝶になる
寝ては覚めてまた夢を見てる
空高く羽ばたける夢を
 
うまい嘘もつけなくなって
どうせダメだって口を閉ざして
ほんとの笑顔に救われて恋をする
最高の瞬間が訪れるとき
隣にいたいから
 
別に約束しなくても

いつでも会える気がしたから
きっと伝わってるさと 自分のことばっか
 

ほんと嫌にもなるけど

その雨が空に虹をかける
踏み出す先に古傷が痛んでも
後悔は人生の宝物だ
 
ついに見つけた希望の光は
実は絶望にもよく似ていて
手を伸ばせば壊しそうでまた不安になる
窓際で揺れる花の方まで
どうやって歩いていけばいい?
 
いつの間にか大人になって
どうせダメだって口を閉ざして
最後の笑顔に救われて恋をする
本当のことだけ映してくれる鏡がほしいんだよ
隣にいたいんだよ
 
 
 
8.おとぎ話 
 
ゆうべ君が眠りにつくころ 
話していたことを覚えていて 
ひとつだけを枕のそばへ 
取り出してみるよ 
 
「いつか僕ら会えなくなっても 
 手をつないだことを覚えていて 
 寒さの中 雪が降っても 
 離さずいたこと」 
 
あすの朝 君は違う恋をする 
最後の夜に僕ら 
二人だけでダンスを 
 
いつか君が言っていたこと 
思い出せばきりがないけど 
もうひとつを枕のそばに 
取り出してみるよ 
 
「笑ったことは数え切れず 
 怒ったこと思い出せず 
 幸せとはどんなものか 
 不安になっていくよ」
 
都会の絵の具に染まらないでいて 
永遠を信じるなら 
また会えるはずだよ 
 
いつか願えば会えることも 
幸せと知りながら 
覚悟がつかずに おとぎ話のように 
弱音を吐いている 
 
二人だけでダンスを
どこまでも 
 
二人だけでダンスを
 
 
 
9.雨夢
 
あの日々は夢の中
戻らないものは全部
涙を連れて流れていく
 
今ここは雨の中
後悔に濡れないように
手に持った傘を差した
 
そばにいたいと思った
いつもの日溜まりのようだ
その温もりだけは
離したくはないんだ
 
あの日々は夢の中
戻らないものは全部
涙を連れて流れていく
 
まだ日々は雨の中
少しだけ濡れたシャツの
冷たさも明日になる
 
そこにいないと知った
風は今を拐った
本当のことは全部
声にならないまま
霞んでいく
 
もうこの先には行けない
偽りの傘を閉じた
忘れようとしていたはずの温もりが
意味となった
 
あの日々は夢の中
大切なものは全部
心の中へ流れていく
 
雨はもう止んでいたんだ
後悔に濡れた僕は
光の中へ走っていく
 
 
 
10.ブルースカイ
 
いつまでもそばに

いられるような気がしていたんだ
僕らはきっとどこか

同じ場所を見つめていたんだ
その指先を離したら もう行かなくちゃ
 
春の路線に 朝の風が吹いて

僕らそこに突っ立っていた
最後を前に 話すことも底ついて

二人の影 ずっと一緒 あぁ
 
夢を追いかけたり 好きな人と手をつないだり
大切なもの全て 欲しがるほど子供じゃない

愛情の形が違ったら

そばにいられないのかな?
 
大体の時は日々をうまくやって
波風も立てないでいるよ
だけどたまに 君と話したくなって
不器用なのは僕だって一緒
 
三番線に 汽車が辿り着いて
君のことを引っ張っていった
伝えたい思いが喉に詰まって言えなくて
春の風に願いをそっと
 
その指先を離したら もう行かなくちゃ
…バイバイ!!
 
発車のベルが 駅に鳴り響いて
君が見える場所を探した
いつか語った夢は この歌のように
僕らの中でずっと一緒

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